第1回アドバンス講座
伊藤典子
SPACE桜
老齢的超越とは、90歳近くなると運動機能や認知機能は更に低くなりますが、それを受け入れる事でこの長寿を喜び
幸福感を感じるようになる…そんな心の在り方の事です。
心の状態が幸せ感を感ずるように自然と変化していきます。
自己中心性が低下し、他者への寛容性は増加し、時間や空間の壁がなくなり、死の恐怖が薄らぐとも言われます。
様々な機能の低下はあっても、家族の支えに委ねて平穏に過ごしている方もおられます。
ベッドで寝たきりであっても幸せでいることはできます。
老いることを不幸ととらえる人は、老年的超越は得られにくいようです。
98歳で天寿を全うした母が良く言っていました。
「老いは病気じゃないわ。入れ物の身体は傷んで老いても病気じゃない。
なのに病気と思っちゃうと、本当の病になっちゃうと思うよね。
私は年をとっただけで病気じゃないから元気だよ! 心はずっと元気だよ。
皆さんのお世話になりながら生きてるけど、とっても幸せ! 皆さんのお陰! ありがとう!!」
これが「老齢的超越」なんだ…と良きお手本を示してくれました。
私よりずっとクリアな頭で「努力と感謝の人」だった母は最期まであっぱれでした。
親は最後まで学びをくれる……有難い。